shizaiのロゴ
『パッケージが支えるユーザーの熱狂』コーヒーでライフスタイルの進化を図るPOST COFFEEのアクションとは

『パッケージが支えるユーザーの熱狂』コーヒーでライフスタイルの進化を図るPOST COFFEEのアクションとは

2024/02/16

記事をシェア

Facebookでシェア
TwitterでTweet

サブスクリプションサービスにおける有形商品は、定期的にユーザーの手元に届くだけに、単なるモノではなく顧客のライフスタイルの一部となる可能性を秘めている。現在急成長中のコーヒー専門D2C企業POST COFFEEはそんなサブスク商品の可能性にいち早く着目。取り扱うスペシャルティコーヒーを通じて「ライフスタイルを進化させる」をビジョンに掲げ、その実現に向けて、オフィシャルサイトやオンラインショップはもちろん、同梱物からパッケージに至るまで徹底的にこだわってつくり込んでいる。そのアクションはディープなコーヒー愛好者ばかりでなくライト層まで幅広く取り込むことに成功。洗練されたパッケージは多くのUGC発生も促している。ブランディングの質の高さにも定評のあるPOST COFFEEは、どのような顧客体験を設計しているのか。そしてその中で、パッケージが担う役割とは。資材領域のパートナーを務める株式会社shizaiでPOST COFFEEを担当するアカウントエグゼクティブ 岸田健吾氏同席のもと、同社共同創業者兼取締役の油谷大希氏が追究する。

POST COFFEE株式会社 CCO・取締役 下村 祐太朗 氏

デザイン会社 HERETIC, inc.の取締役、デザイナー、アートディレクターを経て、2018年にPostCoffee®を創業。Webデザインからグラフィック、UI/UX 、ムービー、フォトなどあらゆるクリエイティブを駆使し、PostCoffee®の世界観を構築する。過去にはバリスタとして立っていた経験もある。Xアカウント:@YUTARO


スペシャルティコーヒーの魅力を多くの方に。「コーヒー診断」でライト層の支持も獲得し、大幅なユーザー増を実現

POST COFFEEはコーヒーのサブスクサービスを軸に事業を展開しているスタートアップ企業である。提供しているサブスクは独自の「コーヒー診断」から導き出されたコーヒーが定期的に自宅のポストに届くシステムで、どんな銘柄のコーヒーが届くかが開封するまでわからないこともユーザーのワクワク感をくすぐる仕掛けになっている。

その独自性を確立しているのがスペシャルティコーヒーを扱っていることだ。完璧なトレーサビリティを有し、日本スペシャルティコーヒー協会におけるティスティングなどの検査の結果、美味しいと認められたものだけが「スペシャルティコーヒー」と呼ばれることができる。

このスペシャルティコーヒーの認知度が日本ではまだまだ低いことに商機を見出し、下村領氏・祐太朗氏の兄弟がPOST COFFEE株式会社を2018年9月に創業。当初はアプリでサブスクをリリースしたが、スペシャルティコーヒーの認知度が思うように上がらず、ユーザー数増に向けて異なる売り方を模索。そして2020年にスタートさせたのが「コーヒー診断」であった。自身の好みを言語化するこのサービスにより、コーヒーについてあまり知識を持たないライト層を取り込むことに成功。コロナ禍による巣ごもり需要に加えサブスクサービスが社会的に浸透したこともあり、1年間で登録数約25倍とユーザー数の大幅増に成功した。

同社の商品PostCoffee®はサイトや各種ツール、パッケージのデザインが洗練されており、ブランディングのレベルの高さにも定評がある。下村領氏・祐太朗氏はともにコーヒー好き。さらにWebなどのクリエイティブを手掛ける会社を経営していた経験もあり、「ユーザーを喜ばせる」ことへの意識が身についている。

コーヒー好きだからこそわかるコーヒー愛好者の気持ちを惹きつける世界観を、クリエイターとしての視点と技術で的確にカタチにする。それがPostCoffee®のブランディングの基盤になっているのだ。


「人と交流する」実感が購入の喜びにつながる。温かさの演出を資材でも

サブスク商品では、配送箱であるポスト投函箱にメッセージが手書きされコーヒーの淹れ方を紹介するパンフレットなどが同梱されるなど、こだわって手間をかけていることが感じられる。POST COFFEEではユーザーに届けるための配送箱や同梱物を、顧客体験の中でどのように捉えているのだろうか。

下村 サービスのスタート当初に手書きのカードを同梱していたのですが、期間限定のリアル店舗を運営した際、オンラインで購入されたお客さまが何人か、そのカードを持って来店してくださったんです。「これが入っていたのがうれしくて集めているんです」というコメントをお聞きして、ECでも人と交流している実感や温かさがないと購入する喜びがないんだな、と感じました。その経験が忘れ難くて、温かみの演出として現在も手書きを続けています。同梱物についても、リアル店舗と同じように「コーヒーショップで購入するからこそ得られる情報」をお届けすることを意識して制作しています。

油谷 届いた時にお客さまがどのように感じられるか、具体的にイメージしながらつくり込まれていることが伝わってきます。そのタッチポイントがオフラインの場面にもつながっていて、顧客体験の設計が素晴らしいですね。

POST COFFEEはユーザーインタビューも熱心に行っている。知識レベルの高い層からライトな層まで幅広いユーザーにヒアリングしているが、PostCoffee®に対する熱狂度はみな変わらない。「箱を開けて初めてどんなコーヒーが届いたのかわかる」というワクワクするような体験がPostCoffee®のファン化につながりUGC創出の源泉となっているようだ。Instagramでは多くのユーザーが配送箱とともに写したコーヒーの画像をアップしている。英字が配され「ネイティブの方から見てもユニークさが感じられるようデザインしている」と下村氏が語るこの配送箱は、ユーザーにとってPostCoffee®を象徴する存在となっていることが感じられる。サブスク商品の配送箱は同一デザインで色違いのものが毎回届くようになっているが、インクやライナーの色を変えることで印象をフレッシュにすることに成功しており、都度版をつくる必要がないため製造コストの面から見ても効果的な運用だと言える。下村氏は長年デザイン関係の仕事をしており、印刷会社や制作会社とのやり取りについても豊富な経験がある。パッケージがどのように製造されているかについても精通しているという背景が、こうした運用を実現している。

下村 当初は配送箱のデザインを毎回変えようと思っていました。けれど、サブスクの2回目で箱のデザインを変えたところ、ユーザーの反応があまり良くなかったんです。「PostCoffee®とは違うものが届いたのではないか」と思われたようでした。サイトで目にするものと見た目が違うとユーザーが混乱してしまう。重要なのは毎回デザインを変えることではなく、PostCoffee®の商品だと一目で理解できるうえで各回の違いが感じられることなのだと、ユーザーの反響から学びました。

ユーザーからのフィードバックの回収スピードが速いことも、POST COFFEE躍進の理由の一つだろう。

PostCoffee®のパッケージはどれも洒落たデザインで、サブスク商品で使用されているポスト投函箱は毎回箱や文字の色が異なることもあり、色違いで並べて写真を撮りたくなる気持ちがかき立てられる。アソートメントボックスは部屋に置いて活用することを意識してつくられており、コーヒーの袋がきれいに並べて収納できるように設計されている。届いた時はもちろん、使っている時までのすべてが顧客体験である、というPOST COFFEEの信念がそこに息づいている。サブスクやECを展開する企業の多くが顧客体験の設計に試行錯誤を重ねているが、理想的な解の一つがここにあるといっても過言ではないだろう。

油谷 ポスト投函箱のふたの部分は他社ですとジッパー仕様だったり差し込みがついていることが多いのですが、PostCoffee®の場合は破らずきれいに開封できるようになっていますね。

下村 資材会社からはジッパー機能や差し込み形状を提案されることも多いのですが、敢えて現状の形にしています。ジッパーで破ったり差し込みがちぎれたりするといかにも梱包資材に見えて、開封後に写真を撮りたいとか、家に置いて使いたいという気持ちにならないと思うんです。

「届いた時の体験まで考える」というこだわりが、ここにも込められているのだ。


カギはスピード感。クイックなコミュニケーションを通じ、資材パートナーが多品種の運用を力強く支援

shizaiは2023年夏より資材領域においてPOST COFFEEのパートナーを務めている。POST COFFEEではどのような視点で資材会社の選定を行っているのだろうか。

下村 お打合せの際には要件や完成イメージを固めきらず、曖昧な部分を残して相談することが多いです。ミーティングの中で課題を洗い出しそれを解決しながら完成イメージを具体化していきたいのですが、資材会社の営業担当者でそれをできる方があまりいなくて。疑問点や実現可能かをお聞きすると、「持ち帰って現場の確認を取ります」と返答があってレスポンスに1週間くらいかかることもある。正直、その間に少しでも開発を進めておきたかったと思うこともあります。資材の専門知識を有し、スピード感を持って進めてくれる方が担当してくれると、安心して依頼できますね。

岸田 スピード感は特に意識しています。POST COFFEEは新たなチャレンジに積極的でアイデアも豊富な企業。非常な速度で成長されており、そのさらなる加速を後押しすることが自分の役割だと捉えています。shizaiはプラットフォームとして多様な工場と提携しており、対応できる仕様の幅も広い。ご相談も抽象度の高い状態でいただいた方が、多くの選択肢の中から最適解をご提案できるのでやりがいがあります。

通常の資材会社とのやり取りであれば、素材やサイズなど仕様に関する話に終始しがちだろう。パッケージを通じてどんな顧客体験やブランディングを実現化したいかを理解しビジョンを共有することで、お客さまが具現化したいイメージに本質的に迫り、的確に工場にオーダーしているところにshizaiの存在価値がある。

POST COFFEEではサブスク商品のポスト投函箱のほか、個別購入できるECでも配送箱やキャンペーン用ギフトボックス、アソートメントボックスなど複数のアイテムを開発・運用している。資材の管理・進行が複雑な中、shizaiの対応についてどのように感じているのだろうか。

下村 shizaiさんもスタートアップということで、スピード感を共有できる存在。Slackなどのチャットツールを使いこなしており、気軽に問い合わせてクイックなやり取りができることも有難いです。

資材の開発・制作に際して些細な気になりごとはよく出てくるが、会話するようなテンポで気軽にやり取りできると懸念点が常に解消され、「資材会社からの提案を待つ」状態も少なくなってストレスなく進めることができる。まるで机を並べているような距離感でやり取りができ、複数の資材を一本化して依頼できることもshizaiの強みとなってる。


豊富な経験と知見を基盤に。アイデア前の段階から「イメージ通りの顧客体験」の実現をともに追求

リアル店舗のオープンといったオフライン事業、アジア圏での展開など、事業を急速に広げ新たなステージへと歩みを進めるPOST COFFEE。資材の可能性を広げるshizaiとどのようなことに取り組みたいかについて伺った。

下村 ビジネスの伸展に伴い、新たなパッケージを開発する機会も増えると思います。Pinterestをチェックするような感覚で、たくさんの制作実績を見ながらブレストできるとうれしいですね。

油谷 資材の情報はあまり世の中に流通していませんから、アイデアの収集は確かに手間のかかる作業かもしれません。shizaiでは大量の制作実績があるため、仕様情報とともに制作実例の情報についてもご提供できれば、よりお役に立てそうです。お打合せでもぜひアイデア出しの段階から一緒にお話をできれば、と思います。

実現したいイメージが曖昧な状態でご相談をいただいても幅広い選択肢の中から最適解をご提案できるのがshizaiの持ち味だが、ECやD2C企業との取引実績も多く顧客体験や開封体験向上に向けた知見も豊富に有しているため、実現イメージを探る段階からの支援も得意としている。

岸田 弊社のお取引先には各分野をリードするような取り組みを行う新進気鋭の企業様がたくさんあります。資材との直接の関係はありませんが、そうしたお取引先の中からPOST COFFEE様と親和性のある企業をご紹介してコラボレーションにつなげたり、お客さま同士を引き合わせるようなこともできたら面白いですよね。

下村 ぜひ実現したいですね!

資材領域のパートナーとして、ただパッケージを供給するのではなく事業の背景から実現したい顧客体験、ビジョンまで共有しビジネスに伴走するshizai。事業への深い理解を基盤に支援する領域をさらに広げ、これからもPOST COFFEEのさらなる飛躍に貢献していく。

最後までご覧いただきありがとうございます。
あなたもshizaiでパッケージを作りませんか?
どんなことでもお気軽にご相談ください。

その他の記事

Facebookでシェア
TwitterでTweet
shizaiの白いロゴ
©︎ 2022 shizai.inc